小さい頃に「よく噛んで食べなさい」と親から教えられて育った方は多いと思います。
よく噛むことは大人にも子どもにもメリットがたくさんあります。
でも忙しい日本人は噛むことを疎かにしがちです。大人になってから“これからはよく噛もう”と思ってもなかなか習慣化しません。
成長期である幼児期によく噛む習慣をつけておくことが重要です。
今回は噛むことについて掘り下げていきます。
噛むことは脳を刺激します。
噛むことで脳へ酸素と栄養を十分に送ることができるからです。
特に前頭前野という部分が刺激されます。
“考える”“感情をコントロールする”など人間らしくいる為に必要な働きを司る。
前頭前野を鍛えると記憶したり集中したりする能力もあがるので、様々なことを吸収していく幼児期には意識して鍛えたい部位です。
それがよく噛む習慣をつけることで鍛えることができます。
●歯並びが良くなる
よく噛むことであごが発達します。
するとより噛む力が強くなります。
人間の歯の本数は上あごと下あごで16本ずつ計32本あります。
(親知らずの有無で正確な本数は人によって異なります。)
ですが、“あごが小さい、大きい”と人によりあごの大きさは違います。
あごが小さいと歯が生えるスペースが足りなくなって歯並びが悪くなってしまいます。
歯並びが悪いことは見た目の問題だけではなく、噛み合わせに大きく関わります。
噛み合わせが悪いと顎関節症になったり、頭痛や肩こりを引き起こすこともあります。
将来お金と時間をかけて歯列矯正をしなくてはならないのも大変です。
●虫歯予防になる
よく噛むと唾液が出ます。
唾液には抗菌効果があります。
虫歯菌の発生を抑制する効果があります。
よく噛むことは物理的に食物が小さくなり、消化が良くなります。
それだけではありません。
抗菌効果のある唾液が食物と混ざることで、胃腸で細菌が繁殖するのを抑えます。
消化器官の調子が良くなることは体全体の調子を整えます。
この抗菌効果は細菌やウイルスに対抗する免疫グロブリンAという成分が含まれています。
これにより免疫力が高まります。
腸や気管支などの粘膜に存在、体内に入ってきた細菌やウイルスから守る働きをする免疫物質
よく噛むと口周りや舌の筋肉が発達します。
そうすると言葉を発しやすくなり、はっきりとした発音で話せるようになります。
幼児期は発音が上達する時期です。
幼児期特有の言えてない感(これはまたすごくカワイイのですが)がだんだんと抜けてきて大人と同じ様に言葉を発していくようになります。
そうなる為には発音は重要です。
口周りの筋肉は表情にも大きく影響します。
表情筋が発達すると表情が豊かになります。
口角があがりますよ。
大人になってから表情筋を鍛えようとすると大変です。
ですが幼児期は筋肉も皮膚も柔らかいので、よく噛むことが習慣化すればすぐ鍛えられます。
よく噛むことの大切さは伝わりましたか。
そしてここからの問題は
どのようにしたら子どもによく噛む習慣がつけられるかですよね。
次はそのあたりを詳しくまとめます。
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